人間における勝負の研究―さわやかに勝ちたい人へ (ノン・ポシェット)



人間における勝負の研究―さわやかに勝ちたい人へ (ノン・ポシェット)

商品カテゴリ:人生論,生き方,生きがい,生涯学習
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運は偶然の産物ではない

様々なタイトル、名声を手にして来た米長氏が昭和57年に書いた勝負についての本。
勝利の女神に好かれるにはどうすれば良いか。
勝負を左右する「確率」、「勢い」、「運」をどのように活用すれば良いのか。
特に「運」を引き込む方法は覚えておきたい。

米長氏の場合、対局で重要なのは名人戦といった大きなタイトル戦ではなく、普通の対局なのだという。
負けても自分にはなんの影響もないが、例えば相手が負けると段位を落としてしまいそうな対局。
普通であれば、多少の手心を加えて負けてもまあいいか、などという気持ちで負けてしまったりすることもあるだろう。
米長氏は、こう言う対局こそ全力で戦って絶対に勝たなければ運を逃がしてしまうという。
結局、日常の小さなことをおろそかにしないからこそ、運が蓄積されていくということだろう。

そして、好調のとき、不調のときの対応の仕方もためになる。
好調の時にはじっとしていることが大切であり、不調の時こそ遊ぶべきということ。
たいていの人は好調の時には遊びほうけて、不調の時に反省したりする。
これは全く逆にしなければならない。
好調の時こそ、耐えてその波長を持続させることに腐心し、不調の時には狂ったカンを取り戻す作業を行う必要がある。

運、不運を偶然の産物とせず、いかに自分でコントロールしていくか。
その日々の努力が長年蓄積されると、人間大きな違いになってくるのだと思う。
参考になる部分多し。が・・

 はじめて読んだのはかなり昔です。勝負師米長の人生観・処世観がふんだんに盛り込まれていて、「勝負」の連続である人生の生き方に疑問を抱いている方にとっては一読の価値はあるでしょう。
 ただし、疑問がないわけではありません。ひとつは他の方も書いておられる通り、女性に対する態度(笑)。しかし、これはそれほど目くじらを立てることはないのかもしれません。赤松啓介氏、宮本常一氏を引くまでもなく、明治期以前の日本人は性に対して大変寛大であり、むしろ現代日本人の歪んだ態度はキリスト教道徳の直輸入と上野千鶴子とか小倉千加子とかの変なフェミニスト(まともなフェミニストもいる)の宣伝によるところが大きいからです。
 もうひとつはそれに関連することですが、マッチョな男性観がもろに透けて見えるところです。後年石原都知事から都の教育委員長に任命され、天皇に「君が代の斉唱・国旗の掲揚に全力を尽くす」と答えた保守ナショナリスト米長の源流がここに見られます。
勝つための心構えが理解できます

実力は伯仲しているはずなのに、なぜか勝てない。
こんなに努力をしているのに日の目を見ない。
最後のところでどんでん返しを食らってしまう。

そんな人はこの本を読んで、自分の態度が、勝利の女神に好かれるものだったかを、じっくりと確認するのがよい。
この本は、勝負とは表面に現れる実力のみによって決着がつくものではない、という真理を、多くの事例を用いて解説してくれる。

「何よりも悪手を指さないこと」が人生で重要、とは著者の言葉だが、自分が知らない間に悪手を指していることがどれほどあったことか。
勝負が勝負以外の場で決着がつくことを理解すると、日常の何気ない会話や、人との接し方にも注意を払うことができるだろう。
男性にとっての道標の一つ。女性にとっても価値ある一冊。

 特に若い男性にお勧めです。同時に,女性にも価値ある本です。なぜなら,古めかしいですが「男性」の存立基盤を余すことなく語っているからです。男女は補完的な存在という考える方も世の中には少なくないと思います。その考え方に従えば,男性がどういった男らしさを目指すのか,相対的に女性がどのような女性らしさを必要とされているのか,その一つのモデル像が本書に示されていると思われます。

 それ以上は私の説明よりも,以下の抜粋が雄弁にそのエッセンスを伝えてくれます。

・弱い人は待っていられない。どうしても結論を早く出してしまう(P. 173)。

・家庭,親,兄弟というには,まず大切にしなくてはならない。現実に,こういった人をおろそかにして偉くなったという人の話は,聞いたことがありません。(P. 199)。

・そもそも,勝負ごとは一人でやらないといけないのです(P. 201)。

・仕事と家庭と遊びでは,仕事が断然上位なのですが,この三つともうまくいっている時が,男は一番幸せなのだ,というのが私の人生観,あるいは人生設計といえます(P. 227)。

・勝負事にせよ,一般の仕事にせよ,人間が何かをする場合に,その軸になっているのは,やはり,その人の人生観だと思う(P. 20)。

・では,いったいどうすればその運をつかまえられるのか(中略)一言で言ってしまうと,自分の利害にはたいした影響のない勝負で,必死に頑張ることです(P. 33)。

・本当に強くなりたい,勉強したいと思ったら,まず,独立心というか,孤独に耐えられる力が必要です。最終的に頼れるのは自分自身の力だけなんだ,ということがわかっていないと,本当の成長はできない(P. 49)。

 女性の社会進出などの状況は本書が世に出た時点と大きく異なりますが,なお本書に描写される男の姿は一つの生き方のモデル像として色褪せません。理屈抜きにまず読んでほしい本です。
人生哲学がふんだんに盛り込まれた本

「棋士は天才」という言葉に反発を感じる人に是非読んで欲しい。著者は言うまでも無く名人位も獲得した一流棋士だが、将棋以外でも数々の要職に就いておられ、その博学多才は常人の及ぶところではない。「勝利の女神に見放されたら運が逃げていく」という著者の哲学は実に奥深く、人生にそのまま敷衍させる術をこの本を通して語ってくれる。

随分前に書かれた本だが、全く色褪せる事無く読み継がれるであろう一冊。「自分にとっては消化試合、しかし相手には進退のかかった一番という時には何が何でも勝たねばならない」という著者の考え方が、将棋界のみならず囲碁界を救った、と言っても過言ではあるまい。



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